
『グラン・トリノ』 92点
映画界最長老で活躍するイーストウッド主演兼監督の集大成。
前評判通り、期待していた通り、すごく良い映画でした。特に団塊世代やリアルタイムでダーティ・ハリーにハマっていた往年のファンには最も響く”究極のスター映画”になっているはず。
人生をどうやって締めくくるのかという葛藤を描いているという意味で、僕みたいな30代の若造がこの作品をレビューするなんて、なんだか恐縮してしまうぐらいのオーラを感じます・・。なんたってイーストウッドは78歳ですからね。台詞ひとつにしても年季入りまくり、凄みアリまくりです。
グラン・トリノというのは、フォード社が72年に作ったアメリカの魂と称される名車。当時、世界を牽引していたアメリカの代表ともいえる自動車業界。イーストウッドはグラン・トリノを通して、改めて強いアメリカへの復権を願い、その希望を全世界に伝えたかったのかもしれませんね。
ちなみに上の画像は洗車後のグラン・トリノを眺めながら庭先で缶ビールを空けまくっているシーン。酒の肴は違えど、僕も良くやってる光景。古臭いことを言うようですが、男だけが共感できるロマンなんでしょうね。
ちょっと気になったのがエンドロールで流れるイーストウッド本人のしゃがれた歌声。これってイーストウッドだからこそアリなんだと思います。ミナミの帝王で歌う竹内力とはワケが違います笑。そして観終わった後に妙なまでに残る長い余韻。大したサイズの話でもないのにイーストウッドの手にかかると重く残酷で野太い演出になる。
さらにその余韻を深く味わって欲しいという意図なのか、黒バックに白抜き文字だけが流れるという定番のエンドロールではなく、海岸線を車が抜けて行くといったシーンの取りっ放し映像で幕を閉じる。映像が切れないので、さすがに誰も席を立たない。これもひとつの演出ですね。この手法を真似る監督は今後、続々と現れると思います。
それにしても鉄板ですね、イーストウッド作品は・・